身も心もボロボロだったとき、私はサウナに出会いました。
木の香りを吸い込み、水に身体をあずけ、風に撫でられる。
都会の真ん中にあるサウナに入るとき、
私は、子供の頃、祖母が連れて行ってくれた実家の裏山を思い出していました。
嘘のようにたくさん採れた松茸、豊富な水が川に流れる音、涼やかな秋風……。
サウナとはつまり、自然と共にあることなんだと、だんだんと思うようになりました。
しかし、私がかえりみない間に、あの裏山はすっかり衰えてしまいました。
失われつつある、身近な自然のすばらしさを、
私はサウナを通して気づきました。
「サウナゴヤ」が、多くの人にとっても、
そうしたきっかけのひとつになってほしいです。